教育方針と教育プログラム


2013年度(平成25年度)以降の入学生は別ページへ

教育方針

 人類が地球上に出現しておよそ700万年,人類は自らの生存のために自然に働きかけ,食料,衣類や住居などを調達してきました。その過程で,自然の論理性(自然の摂理)を学び取り,その成果を科学技術や文化・文明として,現代に開花させています。また生活向上のために,人々は懸命に働いてきました。その結果,生活は豊かになり,生活水準は飛躍的に向上しています。しかしながら,意図しなかった結果も顕在化しました。それが環境問題です。 とくに,地球温暖化,オゾン層破壊,大気・水質・地質汚染,廃棄物問題,自然破壊などは,今や地球規模に及び,人類はもとより,ほかの生物の生存をも脅かす深刻な事態に立ち至っています。このような状況のもと,環境に関わる諸問題を解決・克服し,同時に,自然との調和を図りつつ(自然との共生),社会・経済が持続的に発展できる循環型社会の構築が求められています。

 環境の世紀といわれる21世紀,新しい学問分野である環境創造学は,
(1) 環境に配慮した生活と環境問題を発生させない心構えとを念頭に,(環境の心)
(2) 自然の論理性を的確に把握した上で,(自然の論理性の把握)
(3) 良好な環境の保全と悪化した環境の復元・改善に取り組み,(環境の保全と復元・改善)
(4) 自然との調和を図りつつ,(自然との共生)
(5) 社会が持続的に発展できる新しい環境システムを創出する。(環境創造)

 ことを目指しており,これが環境創造学のコンセプトでもあります。 環境創造学科の教育方針は,環境創造学のコンセプトに基づいて,環境に携わる技術者・研究者を養成することです。環境創造学科では,土木工学,建築学,気象学,公衆衛生学,生態学,地質学,地理学など,幅広い分野を基礎として,人間活動,大気,水,大地,公共施設に関わる環境(問題)を,教育・研究の対象としています。とくに重視しているのは,土木工学と建築学をベースとした環境問題を解決する技術者の養成を目指している点です。
 また,環境(問題)の空間スケールは,地球規模の「地球環境」と,地域がある程度限定される「地域環境」とに,区別できる場合もありますが,そのような場合,後者としては,東海地方を中心とする中部地方を主な対象としています。
 これらの環境と環境問題を考えるにあたって,以下の諸点をとくに重視しています。

(1) モッタイナイの心と環境に配慮した生活
(2) 環境問題が引き起こされた経緯の理解と教訓
(3) 基礎的事項(自然の論理性)の把握
(4) 環境問題を解決・克服するために環境のわざの習得
(5) 持続的発展が可能な新しい環境システムの創出(環境創造)

以上の教育方針のもとに,環境創造学科では,入学選抜時に求める学生像として,次のアドミッションポリシーを定めています.

環境創造学科のアドミッションポリシー

(1) 高校卒業レベルの基礎学力を備えた人.
(2) 何事にもやる気を持って前向きに取り組める人
(3) 他人の立場に立って考えることができ,環境に対する関心と環境に配慮した生活ができる人
(4) 相互理解・相互信頼に努めることのできる人
(5) 環境創造学科の学生として,誇りを持って勉学に励むことのできる人

教育プログラム

 環境創造学科の教育プログラムは,「環境創造プログラム(Environmental Science and Engineering)」と「環境総合プログラム(General Environmental Science and Engineering)」のふたつから構成されています。授業科目履修系統図に示されているように,どちらのプログラムにおいても,1年生では主に総合基礎部門や理工学基礎科目,2年生以降では主に専門教育部門の授業科目を履修していきます。なお,プログラムの選択は,3年に進級する際におこないます。

 「環境創造プログラム」は,グローバルな視点から環境問題に取り組むことができる素養を持った技術者の育成を目標としています。そのために,学科の特色でもある自然環境から居住環境にわたる幅広い範囲の環境について,必要な知識と能力とを,まず身につけていきます。その上で,自然環境の現状把握と管理,環境破壊の監視と修復,環境デザインなどを,総合的に行うことのできる技術者になれるよう,環境問題関連の基礎的な知識・能力・技術を習得していきます。具体的には,コース終了時,技術士第一次試験(技術士補)の環境部門あるいは建設部門の合格が可能なレベルの教育を目指します。「環境創造プログラム」は,日本技術者教育認定基準を満たすように設置された教育プログラムであり,平成21年度に,日本技術者教育認定機構(JABEE)への申請をおこないました。
 環境創造プログラムの学習・教育目標は以下に示すA~Gの7項目です。なお,これらの学習・教育目標と各授業科目との関係は対応表の通りです。

[多様な価値観と基礎知識]
A 多様な価値観と広い見識を習得する。
 A-1 環境と社会の関係を認識するために,人文科学や社会科学などの知識を習得する。
 A-2 専門分野の基礎となる数学や物理などの自然科学および情報科学の基礎知識を習得する。

[技術者倫理と環境倫理]
B 環境に関わる技術者として,社会全体の利益と秩序を考慮した社会活動を可能とする知識と教養を習得する。
 B-1 技術者として,社会の利益がどのようにあるべきか理解する。
 B-2 適切な社会活動を行える素養を身に付けるために環境倫理を習得する。

[専門基礎知識とその応用]
C 都市・居住環境,気圏環境,水環境,地圏環境の基礎知識と基礎理論を習得する。[専門基礎知識]

D 環境に関わる現象のメカニズムを把握する能力を習得する。[計測技術と現象の把握]
 D-1 都市・居住環境,気圏環境,水環境,地圏環境に関する計測技術の基礎を習得する。
 D-2 計測データを基礎理論にもとづいて解析し,総合的に現象のメカニズムを把握する能力を習得する。

E 環境の改善と新たな環境の創出のためのデザイン能力を習得する。[デザイン能力]
 E-1 問題を解決するために,周辺への影響などの要因を踏まえて立案,計画,設計を総合的に行える能力を習得する。
 E-2 新たな環境の創出ができるように立案,計画,設計を行える能力を習得する。

[コミュニケーション能力]
F 日本語によるプレゼンテーション能力ならびに国際的に通用するコミュニケーション基礎能力を習得する。

[高度な技術者養成への基礎作り]
G 生涯学習能力の基礎と,課題の解決のための計画・管理能力を習得する。
 G-1 身に付けた幅広い知識をもとに,さらなる応用知識を身に付けることができるように生涯学習能力の基礎を習得する。
 G-2 社会条件および自然条件の制約下で課題を理論的に解決するだけではなく,定められた期日を厳守し, そのために計画を自ら立て,自ら管理することができる能力を習得する。

 

 「環境総合プログラム」は,学科の特色でもある自然環境から居住環境にわたる幅広い範囲の環境について,基礎的な知識と能力とを身につけていきます。その上で,他学科,他学部の授業科目を履修することによって,豊かな教養を身につけることを目指します。

教育点検・改善システム

 当学科では,上に挙げた2つの教育プログラムをより良いものにするため,教育点検・改善システムを設けています。教室会議や教育内容改善委員会,学習・教育支援点検委員会などにおいて,教育に関する審議・決定や点検評価,改善策の検討がおこなわれています。会議や委員会はそれぞれの規約に基づき運営されています。なお,教育点検・改善システムについては,現在,よりよいシステムを目指した改善を検討中です。